2005年7月30日 (土)

恋人がアフガンの戦場へ

もしも、あなたの彼(アメリカ人)が、アフガンの戦場へ志願兵として出かけるとしたらどうしますか?  彼は「テロは許せない」と、断言します。それは、彼の生きてゆく信念に近い、とても強いおもいです。国家権力の前に個人は弱いという個人被害者の定型文句は彼には通用しません。人は国民は、つねに何かを選択しています。イスラムの自爆テロリストが「アメリカは許せない」と殺戮にはしる気持ちの、それぞれの裏表だとおもいます。

お断りしておきます。わたしは政治や軍事にはからきし弱い。ですからここで善悪を論じたりはできません。

それぞれの人間の感情を一瞬、わかってみようとしただけでなのです。 テロを許せない、とアフガンに赴く彼の気持ちが理解できないと、おそらく多くの日本人女性はそうおっしゃるでしょう。しかし、男が自分の生命の維持よりも優先させたい何かに人生を傾斜させたとき女はそれを止められるでしょうか。男と、女を、入れ替えてもおなじ設問は立つとおもいます。子どもの命のクライシスとなら女は自分の生命維持への危機など忘れてしまいます。夢中を止めることは、まずできっこないのです。

もうこうなると理屈、論理を積み上げても、積めば積むほど、わけがわからなくなります。 アフガンの戦場へ行きたがる彼のきもちが理解できない。でも彼は世界で一番ステキな男性なのです。彼といっしょにいるとき、まるで幸せのパッケージにくるまれたような心地になるそうです。しかし、戦争に志願してまで出かけて、相手に銃撃をためらいもなくあびせる彼が理解できない。あんなに優しくくるんでくれる彼なのに。人を殺すなんて。

「彼への想いは断ち切りなさい。別れなさい」 わたしは彼女にそう告げました。

彼のあなたへの大きな優しさは、戦場で命のやりとりしているゆえの命のはかなさを知っているからです。はかないものへの強いおもいの裏返しの彼のやさしさですから、ね。わたしは人ごとだから、彼の気持ちを理解するのは一瞬でいいからできる。でもあなたならずっと、ずっと、これからずっと長くわかりつづけなければならのよ、ね。

いま、わかりたくないという意思のあるあなたにそれができる、とはおもえない。日本人男性とのお見合い話を受けなさい、受けましょう。 彼女はわたしに視線をかさねて長い長い沈黙に入り、そして立ち上がりきびすを返しました。さようなら。でも、足が一瞬止まってふりかえり、それはそれは、きれいな笑顔をみせてくれたのです。いい女は別れを乗り越えたときさらにいい女になるのです。

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